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2008 年度 実績報告書

脱窒とメタン生成の複機能を有するグラニュールを用いた排水処理プロセスの創生

研究課題

研究課題/領域番号 20560501
研究機関群馬大学

研究代表者

渡邉 智秀  群馬大学, 大学院・工学研究科, 教授 (60251120)

研究分担者 伊藤 司  群馬大学, 大学院・工学研究科, 講師 (80431708)
キーワード脱窒 / 嫌気性グラニュール / メタン発酵 / 高濃度有機性排水 / 複合微生物系 / 排水処理
研究概要

メタン発酵能と脱窒能が共存する複機能グラニュールの嫌気性グラニュールからの形成条件について、培養槽への脱窒細菌の植種、流入硝酸性窒素/CODcr,比(以下N/CODと記す)、流入硝酸性窒素負荷ならびに時間経過の点から実験的に検討した。嫌気性グラニュールには潜在的に脱窒細菌が存在しており、外部から植種をしなくても植種した場合と比べて大きな時間差なく複機能化が可能であった。また、脱窒への必要量に比べて十分な有機物が供給されていれば、流入硝酸性窒素負荷や流入N/COD比が高い条件において腹機能化までの時間が短くなる傾向が見い出された。定期的に採取したグラニュールの脱窒ならびにメタン生成活性試験から、培養槽の流入N/COD比(0.03〜02)の増大と時間経過(約150日間)に伴い、グラニュールの脱窒活性(比脱窒速度)が徐々に増大し、メタン生成活性は特にN/COD比が0.1を超えると低下することがわかった。しかし、約1年経過後でも両活性は常しにグラニュール内で安定的に維持されていた。グルコースと酢酸を用いて炭素源の影響を調べたところ、培養開始から約3ヶ月までは、ほぼ同程度の脱窒活性であったが、それ以降に採取したグラニュールでは、酢酸での比脱窒速度がグルコースの場合のそれに比べ約1.4倍となり、グラニュール内では酢酸を炭素源として利用する経路が安定的に形成されたことが示唆された。
複機能グラニュールを充填した実験槽による連続処理実験を開始し、約10kg-COD/(m3・d)で一定の流入COD負荷の下で流入水のN/COD比を徐々に増大させたところ、その比が0.2までの範囲では、約90%以上のTN除去率ならびにCOD除去率が安定的に達成された。槽あたりのメタン生成速度は、N/COD比の増大に伴い減少し、脱窒よる有機物消費に強く依存することがわかった。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2009 2008

すべて 学会発表 (3件) 産業財産権 (1件)

  • [学会発表] 単一槽型メタン発酵・脱窒処理槽内グラニュールの微生物群集構造2009

    • 著者名/発表者名
      渡邉智秀
    • 学会等名
      第43回日本水環境学会年会
    • 発表場所
      山口
    • 年月日
      2009-03-18
  • [学会発表] 脱窒能を有する嫌気性グラニュール充填槽を組み込んだ排水処理システムの構築2008

    • 著者名/発表者名
      渡邉智秀
    • 学会等名
      土木学会第63回年次学術講演会
    • 発表場所
      仙台
    • 年月日
      2008-09-10
  • [学会発表] 脱窒能を有する嫌気性グラニュールを形成する微生物群集構造の解析2008

    • 著者名/発表者名
      渡邉智秀
    • 学会等名
      土木学会第63回年次学術講演会
    • 発表場所
      仙台
    • 年月日
      2008-09-10
  • [産業財産権] 含窒素有機性排水の処理方法2008

    • 発明者名
      渡邉智秀、伊藤司、黒田正和、湯沢恩、荒井哲雄
    • 権利者名
      群馬大学、(株)ヤマ
    • 産業財産権番号
      特願2008-224530
    • 出願年月日
      2008-09-02

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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