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2010 年度 実績報告書

鉄ハイブリッド型砒素除去フィルターの適正化と持続化に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 20560511
研究機関立命館大学

研究代表者

中島 淳  立命館大学, 理工学部, 教授 (00309098)

キーワード砒素除去 / 地下水汚染 / バングラデシュ / 浄水処理 / 鉄バクテリア / 吸着 / 砒素除去フィルター / 国際協力
研究概要

本研究では、砒素で地下水が汚染されたバングラデシュ等で使用することを想定して、鉄バクテリアと金属鉄をハイブリッド化した砒素除去フィルターの適正な製造と維持管理方法、およびこれを用いた持続可能なシステム構築の方法について、明らかにすることを目的としている。本年度は、以下の研究成果が得られた。
(1) 原水中シリカの影響:人工地下水を用いた砒素除去フィルター試験において、シリカ濃度が高い場合に砒素除去性能の低下が認められ、Fe 5mg/L P 0.9mg/Lの条件では、Si 45mg/L以上で、As除去率が90%以下となった。Si濃度は、Fe除去およびP除去には影響を与えなかった。
(2) 砒素除去モデル式の完成:昨年度の成果を踏まえて、原水中のFe、P、Si濃度から、As除去濃度を予測するモデル式を作成した。本モデル式は、バングラデシュの現地試験においても、適用が可能であった。なお、現地のシリカ濃度範囲においては、砒素除去性能に影響を与えることはなかった。
(3) 現地長期試験:昨年度、バングラデシュ農村に設置したフィルターを追跡調査し、1年間後においても砒素除去性能が得られることが示された。また、鉄網の腐食および住民のフィルター清掃に関する知見を得た。
(4) 2段ろ過法の開発:原水砒素あるいはリン濃度が高い場合に対して、フィルターを2回通過させるシステムを検討し、一段ろ過でのリン減少と2段ろ過による砒素除去性能の向上が認められた。2段ろ過は、砒素やリン濃度が高い原水に効果的であるといえる。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2011 2010

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Investigation of arsenic removal performance by a simple iron removal ceramic filter in rural households of Bangladesh2011

    • 著者名/発表者名
      Shafiquzzaman, Md., Md.Shafiul Azam, Jun Nakajima, Quazi H.Bari
    • 雑誌名

      Desalination

      巻: 265 ページ: 60-66

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Arsenic Leaching Characteristics of the sludges from iron based removal process2010

    • 著者名/発表者名
      Shafiquzzaman, Md., Md.Shafiul Azam, Jun Nakajima, Quazi H.Bari
    • 雑誌名

      Desalination

      巻: 261 ページ: 41-45

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Effect of Calcium and Magnesium addition on Arsenic Leaching from Paddy Field Soil of Bangladesh2010

    • 著者名/発表者名
      Mohammad Shafiul Azam, Md Shafiquzzaman, Jun Nakajima
    • 雑誌名

      J.Water and Environment Technology

      巻: 8 ページ: 329-338

    • 査読あり
  • [学会発表] 簡易砒素除去フィルターのバングラデシュ地下水への適用2011

    • 著者名/発表者名
      渡邊敬太、Md., Mahmudul Hasan、Md.Shafiquzzaman、中島淳
    • 学会等名
      第45回日本水環境学会年会
    • 発表場所
      北海道大学(紙上)
    • 年月日
      2011-03-18

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公開日: 2012-07-19  

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