研究課題
屋根面直下の鉛直要素の耐震性能を発揮させるためには、必要最低限の地震力を屋根面の伝達耐力によってその保有水平耐力(強度指標C値)を担保する必要がある。平成20年度においては、1.最近3年間の地震被害現地調査による被害分析、特に筋違の座屈や破断等下部構造の損傷と天井板の落下の関連、2.地震被害と弾塑性地震応答解析との関連による分析、特に解析による最大層間変形角と天井板落下との関連に基づき応答値と限界値を明確にした。また、単層ラチスシェル構造の力学的特性については、現在までに次のことを明らかにした。単層ラチスシェルに作用するせん断力は斜材でほぼ均等に分担すると仮定し、仮想仕事法により変位、軸力、1次固有周期の実用的な簡便計算法を提案するとともに妥当性を示した。そして、学校体育館を想定した大スパン鉛直平面架構をEPまたはHP曲面斜交格子状の屋根型構造を天井材として組み込むことで屋根面を一体とした学校体育館規模の大スパン建築物を対象とし、以下の計画にしたがって研究を実施した。1.ラチスシェルの節点座標、部材の節点接続情報等データ生成システムを英国サリー大学空間構造研究所Nooshin教授のもとで開発されたスペースフレームの形態生成プログラム言語「FORMIAN」及び一般的に用いられているCADソフトを用いて構築した。2.単層ラチスシェル構造の力学的特性を屋根の水平地震力伝達性能に基づき、その応答性能の解明と性能設計の構築を行った。
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Proc. of 4th ititernational Conference on Advances in Structural Engineering and Mechanics (ASEM' 08) (CD-R)
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