研究課題/領域番号 |
20560518
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
釜江 克宏 京都大学, 原子炉実験所, 教授 (50161196)
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研究分担者 |
川辺 秀憲 京都大学, 原子炉実験所, 助教 (00346066)
上林 宏敏 京都大学, 原子炉実験所, 准教授 (30300312)
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キーワード | 内陸地殻内地震 / 震源モデル / 経験的グリーン関数法 / 2009年駿河湾の地震 / スケーリング則 / 微動探査 |
研究概要 |
平成21年3月に駿河湾を震源とする地震が発生し、中部電力株式会社・浜岡原子力発電所において特異な観測記録(号機によって観測地震動の大きさが顕著に異なる)が得られたため、平成21年度にはその原因究明のため敷地内やその周辺での微動観測を実施した。その後、平成22年度には得られたデータの分析などを実施した。敷地内でのH/Vスペクトルでは駿河湾の地震で見られた号機(3号機と5号機)間における3~4Hzでの地震動特性の違いを確認することができなかったが、敷地周辺での観測データの分析から副次的な成果として、地盤の卓越周期と駿河湾地震時の被害との関係があることを示した。一方、2005年新潟県中越沖地震に対して行った震源のモデル化(経験的グリーン関数法を使ったフォワードモデリング)を他の内陸地殻内地震(2007年福岡県西方沖地震や2007年能登半島地震)に適用した結果を再検討し、論文としてまとめた。これらの結果も現在地震動予測のためのレシピで用いられているスケーリング則を満足することを示した。 なお、本研究の最終年度の最後に2011東北地方太平洋沖地震(Mw9.0)が発生し、津波による多数の死者・行方不明者が非常に広い範囲で発生し、また津波による福島第一原子力発電所での事故が加わり、広域災害と原発災害が同時に発生してしまった。研究期間の僅かな時間(20日間)を使った震源過程に関する分析結果なども今後学会等で発表していきたいと考えている。現時点での解析からは強震動を生成した領域(ここではアスペリティと呼ぶ)は、陸域に近い深い位置に宮城県沖から茨城県沖にかけての5カ所に存在することなどが得られている。
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