研究概要 |
フライアッシュをはじめとする種々の副産粉体を外割大量混合した構造体コンクリートの構造性能や耐久性能を明らかにし、これらの副産物を有効利用することを目的とし、初年度に引き続き下記の検討を行った。 (1) 副産粉体の外割混合量とひび割れ性状の関係の詳細な検討 ・副産物を外割混合したコンクリート試験体の乾燥収縮や自己収縮を測定し、粉体混合量との関係を検証した。 ・上記コンクリートを拘束型枠に打設し、拘束ひび割れ性状を測定した。 (2) 実大部材における副産粉体を外割混合したコンクリートの耐久性状の確認 ・種々の調合の実部材レベル試験体におけるひび割れ性状を観察した。 ・表面の汚れ性を定量的に測定し,フライアッシュを混合したコンクリートは汚れにくいことを長期にわたり実証した。 ・本コンクリートが中性化しにくいことを実証した。また,促進中性化試験を行う場合には,中性化のみではなくフライアッシュのポゾラン反応も促進させるべきであること,およびその考えに基づく試験方法を提案した。 ・本コンクリートがアルカリシリカ反応を生じにくいことを促進試験,ならびに長期の曝露試験により実証した。 (3) 実大部材における力学挙動の把握と構造設計への反映 ・本コンクリートを用いて実大柱部材を作成し、軸力下におけるせん断挙動に関する測定を行った。 ・上記の結果を基に、本コンクリートを用いた鉄筋コンクリート構造物の構造設計に必要な材料特性の明確化と、具体的なパラメータの特定について、検討を行った。
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