研究課題
コンクリート充填鋼管柱(CFT柱)とH形鋼梁で構成されるCFT多層骨組を対象として、強震動応答崩壊を防ぐ極限耐震設計の研究を進めてきた。その結果、極限耐震性能の主たる支配要因は、CFT柱の鋼管亀裂破壊とH鋼梁フランジの亀裂破壊であり、強震動応答崩壊を基準とするCFT多層骨組全体の損傷率はこれらの亀裂破壊損傷率で決定できることを示した。本年度は、亀裂破壊実験資料の更なる充実を目的とするCFT柱及びH形鋼梁の動載荷実験の実施とともに、これまでの研究成果をCFT骨組の現実的な極限耐震設計法に繋げてその最適設計法を提案した。すなわち、CFT骨組の極限耐震性能は強震動応答中に最初に発生するCFT柱の鋼管亀裂破壊に支配されるため、強震動応答中の損傷集中を防ぎ、各CFT柱の鋼管亀裂破壊損傷率を骨組内に一様分布させることが最適設計条件となる。既に導いたCFT柱の鋼管亀裂破壊損傷率式をこの条件に適用して、CFT柱の鋼管亀裂破壊の支配要因であるコンクリート鋼管強度比で規定される最適極限耐震設計法を導き提案した。また、設定損傷率が互いに異なる多くのCFT多層骨組を提案した最適極限耐震設計法で設計し、その強震動応答崩壊損傷率を数値解析した。得られた強震動応答には亀裂破壊損傷率の集中が現れてないことを示し、提案した最適極限耐震設計法の妥当性を示した。
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Proc.of the 2009 ANCER Workshop(University of Illinois) V-A
ページ: 1-9
Proc.of Conference on Improving the Seismic Performance of Existing Buildings and Other Structures(ASCE)
ページ: 1-13