研究概要 |
実際の荷重条件を近似する混合モード破壊の試験方法を確立し,各種材料条件での破壊特性を把握した。地震時の層間変形により部材に生じる力は,剪断力とそれと直交方向の鉄筋拘束,自重等による拘束力であり両者の力による変形モードを混合モードと呼んでいる。混合モードの変形に伴う破壊を混合モード破壊と呼ぶ。混合モード破壊を試験体レベルで再現するために,簡便な試験方法を検討した。本試験方法の特徴は,試験体の4面に切欠きを入れ破壊部分を特定すること,4点剪断試験のひび割れ面直交方向を径を変えた鉄筋で拘束し実際の鉄筋による拘束条件に近似させる,2軸変位計によりひび割れずれ変形(CSD)およびひび割れ開口変位(COD)を同時に計測しクローズドループ式により安定破壊試験とする,試験体の載荷点を切換える事で正負繰返し試験とすることなどが特徴である。これらの試験方法において、各種調合のコンクリートについて、拘束力を種々変化させ、荷重変形曲線を計測し、その特徴と実験要因との関係を考察した。
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