研究概要 |
フロス制御による石炭灰中の未燃カーボンを除去するため,未燃カーボンの除去装置を開発し,その装置の性能を検証すると共に,石炭灰中の未燃カーボン除去の最適条件を検討した結果,次の知見を得た.散気管を用いて石炭灰中の未燃カーボンを除去しても,回収したテール灰の強熱減量が減少する傾向が窺えず,この方法では未燃カーボンを除去しにくいことが明なになった.マイクロバブル発生装置を使用して未燃カーボン除去を行った場合,マイクロバブルは一般的な気泡より小さく,気泡粒径分布のばらつきが小さいので,散気管を用いた時より優れた未燃カーボン除去効果が確認できた.さらに,循環型マイクロバブル発生装置を使用すると,全ての石炭灰について強熱減量2%以下に低減でき,開発した未燃カーボン除去装置の有効性が検証できた.以上の実験室実験の結果を受けて,実機プラントタイプのフロス制御による未燃カーボン除去装置を設計・製造した.1種類の石炭灰に対して予備実験を実施したところ実験室実験同様,強熱減量を2%以下に低減できた. フライアッシュを大量に外割混合したコンクリートの力学特性を把握するため,単位フライアッシュ量と水セメント比をパラメータとしてその力学特性を実験室実験により検証した結果,次の知見を得た。標準養生における圧縮強度と単位フライアッシュ量の関係は,材齢7日,28日では直線で近似でき,材齢91日,160日は双曲線で近似できた.本研究の範囲内で養生条件に関わらず,水和による水酸化カルシウムの生成は材齢28日までにピークをむかえており,フライアッシュによるポゾラン反は91日までに,活発化していないことが推測される.本研究の範囲内で気体吸着法における細孔径分布は標準養生,40℃気中養生ともに30nm付近での細孔容積と圧縮強度に相関が認められた.また,200nmまでの範囲ではより小さな細孔容積が多いほど圧縮強度が大きくなる傾向があった.
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