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2009 年度 実績報告書

微動を用いた地下速度構造推定手法の3次元不規則境界面領域への適用限界と拡張

研究課題

研究課題/領域番号 20560540
研究機関京都大学

研究代表者

上林 宏敏  京都大学, 原子炉研究所, 准教授 (30300312)

キーワード微動 / 水平 / 上下スペクトル / 不規則地下構造 / 分散曲線 / 卓越周波数 / 差分法 / レイリー波 / 長周期
研究概要

微動観測記録に基づく地下速度構造の推定手法について、傾斜基盤面(泉南地域)に適用した結果、微動位相速度に基づくSPAC法およびFK法による大きな推定誤差が見らる反面、H/Vスペクトル法では観測点直下の構造を適切に評価可能であることが分かった。この結果について論文に纏め掲載された。他方、大阪堆積盆地モデルを対象に脈動の数値実験を行い、H/Vスペクトルの空間変動について1次元モデルに基づくレイリー波の同スペクトルと比較検討した。その結果以下のことが分かった。沿岸部を除き基盤面深度の変化が小さな地域のピーク値は大きく、レイリー波の卓越周波数とも良く一致する。断層帯近傍など基盤面深度の変化が大きな地域ではピーク値は小さく多峰性を持つブロードな形状となり、レイリー波の卓越周波数との差が大きい。基盤面深度の変化が比較的大きな地域の0.3Hz以上の卓越周波数において、数値実験結果はレイリー波より高くなる傾向がある。北摂域の地溝帯において水平成分の振幅異方性が見られる。以上の結果は既往の観測結果とも良く整合していることも分かった。以上の成果は、次年度に実施予定である1次元構造モデルに基づく位相速度やH/Vスペクトルを用いた速度構造推定手法としての適用限界の把握において有意義な情報であると共に、将来の検討課題である1次元構造モデルを前提とはしない3次元不規則地下構造の逆解析手法開発上のパラメター選定への重要な情報を有している。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2009

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (3件)

  • [雑誌論文] 傾斜基盤構造推定における微動H/Vスペクトルの頑健性とそれを用いた大阪平野南部域の盆地構造モデルの改良2009

    • 著者名/発表者名
      上林宏敏, 川辺秀憲, 釜江克宏, 宮腰研, 堀家正則
    • 雑誌名

      日本建築学会構造系論文集 74

      ページ: 1453-1460

    • 査読あり
  • [学会発表] 大阪堆積盆地モデルを用いた長周期微動シミュレーションとH/Vスペクトルの空間変動その2-3Dと1Dモデルの卓越周波数の相違と不規則構造の関係-2009

    • 著者名/発表者名
      上林宏敏, 川辺秀憲, 釜江克宏
    • 学会等名
      日本地震学会秋季大会
    • 発表場所
      京都大学
    • 年月日
      2009-10-23
  • [学会発表] 傾斜基盤構造推定における微動H/Vスペクトルの頑健性と分散曲線評価の問題点について2009

    • 著者名/発表者名
      上林宏敏, 川辺秀憲, 釜江克宏, 宮腰研, 堀家正則
    • 学会等名
      日本建築学会2009年度大会
    • 発表場所
      東北学院大学
    • 年月日
      2009-08-27
  • [学会発表] 傾斜基盤領域におけるH/Vスペクトルの頑健性と大阪泉南地域における基盤構造モデルの改良2009

    • 著者名/発表者名
      上林宏敏, 川辺秀憲, 釜江克宏, 宮腰研, 堀家正則
    • 学会等名
      日本地球惑星科学連合2009年大会
    • 発表場所
      幕張メッセ国際会議場
    • 年月日
      2009-05-25

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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