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2010 年度 実績報告書

微動を用いた地下速度構造推定手法の3次元不規則境界面領域への適用限界と拡張

研究課題

研究課題/領域番号 20560540
研究機関京都大学

研究代表者

上林 宏敏  京都大学, 原子炉実験所, 准教授 (30300312)

キーワード微動 / 水平/上下スペクトル / 不規則地下構造 / 分散曲線 / 卓越周波数 / 差分法 / レイリー波 / 長周期
研究概要

強震動予測に欠かせない不規則領域を含む堆積盆地構造推定のための微動の適用性について観測及び数値計算に基づいて調査研究を行ってきた。1)盆地端部では平行成層構造が必ずしも仮定できないため、不規則構造モデルにおける微動場の3次元差分法による計算を行った。さらに、2)これまで多く適用されてきた平行成層モデルによるH/Vスペクトルとの比較から、後者のモデルの適用限界について考察を行った。
上記の1)に関して以下のことが分かった。H/Vスペクトルの卓越周波数付近のスペクトルのピーク形状が不規則構造領域上では不明瞭となり複雑となった。微動の主要なエネルギー成分が盆地構造へ到来する方向が異なると、H/Vスペクトルの卓越周波数とピーク値が盆地中央部以外で20%程度変動した。平行成層モデルよるにレイリー波のH/Vスペクトルの卓越周波数と比較した結果、上記の不規則構造領域上やその近傍において20%程度の範囲で差が生じた
上記の2)に関して以下の調査を行った。大阪平野における既往の微動観測があまり行われていない泉北地域及び新淀川流域において単点微動観測を実施し、丘陵部および伏在断層帯域の基盤面形状が不規則な領域におけるH/Vスペクトルの空間変動を調べた。その結果、断層帯近傍において微動水平振幅の方位依存性を観測と数値計算において確認した。これらの結果は、既往の平行成層モデルでは再現ができないことであり、地下構造の3次元モデル化に基づく微動を用いた不規則構造推定手法の高精度化に寄与できるものと考えられる。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2010

すべて 雑誌論文 (3件) 学会発表 (2件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] 堆積盆地における脈動シミュレーションと平行成層近似に基づく速度構造推定手法の適用限界について2010

    • 著者名/発表者名
      上林宏敏、川辺秀憲、釜江克宏
    • 雑誌名

      第13回日本地震工学シンポジウム論文集

      ページ: 2430-2437

  • [雑誌論文] 不整形地盤に起因する短周期地震動の空間変動2010

    • 著者名/発表者名
      上林宏敏、川辺秀憲、内田治
    • 雑誌名

      第38回地盤震動シンポジウム「短周期地震動の発生要因はどこまで解明されたか」

      ページ: 77-84

  • [雑誌論文] 強震動予測に用いる手法のベンチマークテスト-その12010

    • 著者名/発表者名
      久田嘉章、永野正行、加藤研一、吉村智昭、川辺秀憲、釜江克宏、青井真、早川崇、上林宏敏、境有紀
    • 雑誌名

      第13回日本地震工学シンポジウム論文集

      巻: (DVD収録) ページ: 352-356

  • [学会発表] 御前崎市東部における微動H/Vスペクトル比の空間分布2010

    • 著者名/発表者名
      上林宏敏, 末永浩二, 原田怜, 川辺秀憲, 釜江克宏
    • 学会等名
      日本地震学会秋季大会
    • 発表場所
      広島国際会議場
    • 年月日
      2010-10-28
  • [学会発表] 3次元堆積盆地構造における脈動のシミュレーションとH/Vスペクトルに及ぼす不規則地下構造の影響2010

    • 著者名/発表者名
      上林宏敏、川辺秀憲、釜江克宏
    • 学会等名
      日本建築学会2010年度大会
    • 発表場所
      富山大学
    • 年月日
      2010-09-10
  • [図書] エネルギー・環境・社会 現代技術社会論2010

    • 著者名/発表者名
      京都大学大学院エネルギー科学研究科エネルギー社会・環境科学専攻
    • 総ページ数
      202(120-135)
    • 出版者
      丸善株式会社

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公開日: 2012-07-19  

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