研究概要 |
「分散型実験システムを用いた統合化評価法」は,世界中各地に点在する実験設備を効果的に利用して、実大規模の建物や構造物の弾塑性振動実験を、大型振動台実験と比較して,安価に実施することのできる方法である。 1.統合評価環境の整備 統合化実験とは、インターネットを介して、大規模有限要素法解析と実験装置を結合して建物全体の挙動をシュミュレーションする実験である。本研究は、大きな2軸曲げを受けるせん断パネルダンパーの特性を調べるため、これを間柱に取り付けた試験体を作成して加力試験を行う。大規模有限要素解析プログラムでは、ADINA、MARCという汎用有限要素プログラムを動かすワークステーション(SUN FIRE V210, HP Station 8700)を4台4ライセンスに、ワークステーションをGiga Ethernetで密結合し、非線形挙動の激しい柱の局部座屈挙動解析に充て、システムを構築した。 2.通信・データ交換技術のプログラミング 統合化実験・解析では、遠隔地にある研究機関のワークステーション、実験装置とのデータ交換をインターネットを介して行う必要がある。通信の簡便性と汎用性を重視し、UNIXで標準装備されいるTCPIPを利用する方法を開発した. 3.せん断パネルダンパー単体の多軸応力下における耐力評価 これまでに実施した実大せん断ダンパー単体の繰り返し載荷試験に加えて、パネル面内方向に対して45度傾いた方向に載荷試験を行った。
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