研究概要 |
平成21年度は,平成20年度に引き続き土壁の実験を行った.載荷方法は正負繰り返し載荷とし,必要に応じて柱の歪を計測した.また,土壁のひび割れ状況を細かくデータに取るため,計測機と連動した写真撮影機能を追加し,記録を取った.実験は3月末に終了した.結果として,土塗り小壁と1/4間土壁,「1/4間土壁+土塗り小壁小壁+1/4間土壁」との間に耐力の加算則が大まかに成立すること,土塗り小壁と半間土壁,「半間土壁+土塗り小壁」との間に耐力の加算則が大まかに成立すること,が分かった.今後は,木材の曲げヤング係数の測定(2点載荷)を行うほか,10月以降は,実験結果の整理・まとめを行う(以上,中治が担当). 解析は,3月に実験データ取得した.そこで,数値解析による一次分析を行った.一次分析結果と実験データの照合を行ったところ,大きな差が生じた.その後,木造軸組部分(柱頭・柱脚の抵抗モーメント,引き抜け耐力)のパラメータ解析を行ったところ,実験結果を大まか説明可能な解析モデルを得た.ただし,パラメータ解析の結果から推測される誤差の原因は,柱頭・柱脚部の回転剛性である.実際の試験体の仕様が現在不明であり,この点からを今後検討したい.今後は,木材の曲げヤング係数の測定後に再度数値解析モデルを検討し,実験結果の説明を試みる.数値解析結果のまとめは,実験結果の整理・まとめを受けつつ,11月頃から行う(山田が担当),なお,平成20年度の壁土と平成21年度の壁土では,耐力が異なっており,数値解析と実験の照合を難しくしている.
|