研究概要 |
平成20年度は, 自然冷熱による無動力冷蔵システムの概念設計, 無動力アイスコンテナ冷蔵システム, スノーマウンド氷点冷蔵システムの要素技術開発を主たる課題として, 以下の成果が得られた. 1. 機械空調に依存しない食糧備蓄を指向した自然冷熱による無動力冷蔵システムの概念設計 まず, 食糧冷蔵用エネルギー消費量の現状評価, 現状の農産物出荷体制の実態究明, 食糧備蓄による自然冷熱需要ポテンシャルの推計を実施した. 次いで, 既往の機械空調に依存しない二つの無動力冷蔵システムの概念を提案した. 2. 無動力アイスコンテナ冷蔵システムの実験と解析 ペリメータ部に製氷・貯氷空間を設ける方式であり, 無動力アイスコンテナ冷蔵システム解析ツールを開発し, 製氷ポテンシャルと冷蔵能力の解析を実施するとともに, 製氷特性に関するラボ実験, 無動力アイスコンテナ冷蔵システムの実証実験を行った. 3. 無動力スノーマウンド氷点冷蔵システムの実験と解析 スノーマウンドの融解特性と冷蔵室内温湿度環境の解析ツールを開発し, 北海道内各所に形成されるスノーマウンドにおける冷蔵可能期間を推計した. 実際に排雪に利用される雪堆積場を冷蔵スペースを擁するスノーマウンドとして利用し, 融解状況を把握した.
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