研究概要 |
平成22年度は,無動力アイスコンテナ冷蔵システム,無動力スノーマウンド氷点冷蔵システムの要素技術開発,および総合評価を課題として,以下の成果が得られた. 1.無動力アイスコンテナ冷蔵システムの実験と解析 貯氷庫内の氷量の季節変動について分析した.また,貯蔵庫内の温湿度変動を実測し,特に夏期の温度制御能力を中心とした冷蔵品質について評価した.さらに,低温貯蔵庫で問題となり得る適正な湿度環境制御に関して,対象となる備蓄食糧の保存状態を定期的に観測するとともに,貯蔵期間の適正値について確認した. 2.無動力スノーマウンド氷点冷蔵システムの実験と解析 スノーマウンド内に設ける貯蔵庫躯体に関しては,各部位のひずみ値等を詳細に測定し,求められる所要強度を明らかにした. 3.機械空調に依存しない食糧備蓄を指向した自然冷熱による無動力冷蔵システムの総合評価 (1)冷蔵容量の増加により,北海道内の農産物供給量の増大が見込まれるなど大きな経済効果,総合食糧自給率向上への寄与が期待される.これについて現況,潜在的需要量の試算結果に基づきその見通しを示した. (2)大規模流通モデル,広域複合利用モデル,多目的事業展開の導入可能性評価を実施した.大規模スノーマウンドのエネルギー・資源モデルを開発し,解析を実施するとともに,地域連携によって共有スノーマウンドを構築した場合のポテンシャルを評価するとともに,潜在的需要を推計し,大規模流通モデルの可能性を検討した.
|