研究課題/領域番号 |
20560554
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研究機関 | 日本工業大学 |
研究代表者 |
成田 健一 日本工業大学, 工学部, 教授 (20189210)
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研究分担者 |
石田 武志 日本工業大学, 工学部, 講師 (50438818)
菅原 広史 防衛大学校, 地球海洋, 准教授 (60531788)
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キーワード | 顕熱フラックス / ヒートアイランド / 大気安定度 |
研究概要 |
昨年度の寒候期の観測に引き続き、本年度は暖候期のBLS観測を約1カ月間、銀座周辺で実施した。今回はフラックスの算定に重要なパラメーターである「ゼロ面変位」を推定するため、ほぼ同一の平行パスで高度差がとれるような建物を選び、2高度での同時測定を行った。2本のBLS測定パスは、パス長が648mと823m、有効高度は85.7mと60.8mである。同時にビル屋上にて行った渦相関法による顕熱フラックスとBLSによるシンチレーション法によるフラックスが20Wm^<-2>以内の誤差で一致する条件で、ゼロ面変位を推定した。結果は概ね30m~40mという値となり、大気安定度依存性は小さかった。この値は、過去に渦相関法とシンチレーション法を組み合わせて推定した値(31m)に近い。バラツキの原因を考察するため風向依存性を検討したが、予想された近接する比較的高層の建物による影響は小さかった。 一方、実際の都市の地表面形状から、ゼロ面変位を算出するため、本年度購入した「レーザー計測による都市形状データ」を用いて、Macdonald et al(1998 Atms. Env. )による方法で算出を試みた。その結果は24mという値になり、上記の2高度測定による推定値はやや過大であるという結果となった。 なお、昨年から継続していた本学のスケールモデルサイトにおける短距離用のシンチロメータ(SLS)による検証実験では、パス位置を屋上面上とした場合にも街路上とした場合にも、概ね一致したフラックス測定ができており、複雑な地表面をもつ都市域でも、渦相関法とシンチレーション法が良く一致することが確認できた。ただし、シンチレーション法は日中には過少評価、夜間は過大評価となる傾向が認められた。
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