研究概要 |
本年度は、最適制御コントローラ実装のための要素技術の整備と、実証用空調制御装置の構築および予備試験を実施した。 要素技術開発では、制御システムに組み込む場合に実装すべきソフト構成として,(1)建物・空調システムモデル,(2)気象予測(温湿度),(3)最適化計算,が挙げられるが、(1)のうち建物モデルについて,今年度は同定用モデルではなく,シミュレーションモデルHASPを流用したが,実測負荷との対応は概ね良好で合った。また,システムモデルについては,実測データから得られた部分負荷特性を用いたモデル化が可能なことを確認した。(2)については,既開発のベイズ推定法によるものと,気象情報機関から発表される時系列予報を利用する2つの方法について検討したが,大きな差異は見られず,また,ベイズ推定法による場合,天気予報の数を増やしすぎると,逆に精度が劣化することが判明し,時系列予報を内挿する方法を採用した。(3)について,既開発の最適化計算プログラムを実証試験用に改造した。 自動制御システムの構築では、自動取得された翌日の天気予報と現在の隣室温度等をもとに最適化計算プログラムを実行し、室内機の発停・室温調整を自動実行できるようなシステム構築を行った。また、予備実験では、一連の計算・制御プロセスが自動実行可能であることを確認できた。また,建物・システムモデルが実現象と乖離している場合に制御不能(実行可能解がなくなる現象)となる場合があるなど,問題点も明らかとなった。
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