研究概要 |
平成20年度は「超高層集合住宅に特徴的な居間連結型の間取りに対する評価」を得ることを目的にしていた。実際には、研究の初年度ということもあり、超高層集合住宅の現時点での建設状況を把握し,そのヴァリエーションを確認し、また、既往の研究成果をレビューした上で、当初設定した目的に着手した。具体的には以下のようなことがらを行った。 1)首都圏の超高層集合住宅について、既存の資料に基づき、建物の利用目的などについて整理した。また、いくつかの超高層集合住宅については、現地に赴き視察を行った。関西地区に現存する超高層集合住宅について7施設の視察を行うとともに、関西の超高層居住の研究者(奈良女子大学大谷由紀子氏、中迫由美氏)らと意見交換を行った。また、首都圏で超高層居住の住まい方調査を継続的に実施している昭和女子大学の杉山文香氏を招いてその成果を聞き、研究内容についての意見交換をした。 2)超高層集合住宅に特徴的な居間を動線上の中心とする間取りが、実際にどの程度の割合でつくられているかを明らかにするために、超高層集合住宅の住棟\住戸の設計図を集め、住棟の型別(センターコア型\ボイド型\板状型に分類される)の中で居間連結型の割合がどれほどであるかを調査した。 3)2)でその割合が相当数あることを明らかにした居間連結型に対し、計画する立場の者の評価を明らかにするため、超高層集合住宅の設計者数名程度にインタビューを行い、居間連結型の住戸平面が、販売\計画上はどのように扱われ、どのように評価されているかを確認した。 2)3)の内容については、平成21年度の日本建築学会大会で発表予定である。
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