本研究は既存住宅に対する残存耐用年数の期待と評価が住宅の安全性・居住性の低下を誘引し、地震等の災害リスクを引き起こす原因を明らかにすることと、それを打開するための減災教育のあり方を考察することを目的にしている。 課題1.本年度は、「住宅の点検修理技術の現状と、減災に関する調査」を実施し、以下のことを明らかにし22年9月に開催される建築学会で発表する予定である(論文投稿済み)。 DIY指向と住宅の点検・修繕の間の高い相関性からDIYが住宅の寿命を左右する因子であることを明らかにした。次に家事労働という視点から住居管理の責任を考察したところ、家事労働には家事の種目毎にジェンダー的特徴があり住居管理は男性に属した。かつては家業も家事もジェンダーバイヤスに基づいて両性が分担したが、雇用労働化が進み男性は主婦に家事を任せて家事労働から離脱した。ところが主婦は男性の責任下にあった住居管理を担当すべき家事としての認識が弱く、その結果両性から実務従事者を失い、そのことがDIYを阻害し、住居管理を減衰させていることを考察した。 阪神大震災における被害実態から日頃の住宅管理の習慣と被災度との間に相関が認められることから、21年度はさらに住宅甘露煮週間と減災意識社会的支援制度のあり方に関する調査を実施し、住宅の家の検査制度が 課題2.前年度実施した減災教育の実態調査から得た知見に基づいて、減災教育の理念を確立し、プログラム案を提案した。またその実績を学校現場にフィードバックをするために「減災フォーラムinたかしま」を開催した。
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