5ヵ年計画の初年度に当たる本年度は、次年度以降の調査の基礎研究として、(1)集住体における大人の環境認知と(2)救急医療システムについて研究を行った。 (1)集住体における大人の環境認知は、次年度以降に大人と子供の環境認知の比較分析を行うために実施した。研究において、認知領域図の分析から空間構成要素の認知度、認知領域の広がりの傾向を把握した。また、環境認知を形成する構成要因(軸)、居住者の類型とその特性を考察し、低層・中層・高層・超高層というまとまりにつて変位階層という概念を提示することで心的空間のまとまりを把握した。さらに、集住体内の認知領域図を作成し、集住体の配置計画・外構計画・建築計画によって形成される認知領域についても成果を得た。これらを、環境認知の多重な層構造のモデルとして提示した。 (2)救急医療システムの研究は、次年度以降の安全・安心という視点に立った子供の育成環境についての研究に向けて、子供に限らず日常生活において我々の生命身体の安全を守る上での重要なサービスであるという視点から行った。研究において、救急医療システムにおけるドクターカーシステムの導入に際して、ドクターカーステーションの適正配置を地理情報・地域空間情報に着目したGIS・GPSを用いた圏域的な分析し、ドクターカーステーションの適正配置を行う際の判断基準となる具体的な数値による指標の提示した。 次年度はこれらの成果を踏まえ、子供のイメージ調査を実施する予定である。
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