研究課題
5ヵ年計画の3年度目に当たる当該年度は、集住体における児童をとりまく生命・成育環境の子供を育むネットワークモデルの構築に向け、周辺環境も含めた中層集合住宅(パティオス)の集住体における環境認知の調査を行い、「幕張ベイタウンの沿道囲み型住宅」を計画手法構築の資料として居住者の認知特性と変化要因及びその構造を考察する事が出来た。具体的には、(1)研究対象地「幕張ベイタウン」の居住者全体の環境認知領域、全体を構成する中層住棟・高層住棟・超高層住棟ごとの「わたしのまち」「身近な水辺」「身近な緑地」「にぎわい」「行動範囲」「近隣住民意識(水平)(垂直)」の認知領域を可視化した。(2)数量化三類による因子軸の抽出を用いた認知特性構成要因及び変化要因の分析を行った。中庭型沿道住宅の居住者の「近隣住民意識(水平)」認知項目において、「定住性」「近隣住民認知領域の形成」「中庭の自由度」の因子が重要な指標であると考察した。(3)クラスター分析による類型化特性分析により、数量化III類より得られた「定住性」「近隣住民認知領域の形成」「中庭の自由度」の因子によって中層住棟の居住者を4つに類型化することが出来た。類型化ごとの認知領域図を作成し、因子の影響によって異なる認知領域の広がりを見せる居住者の考察を得た。結果として「定住性」「近隣住民認知領域の形成」「中庭の自由度」を認知特性変化及びその構造の重要な要因であることを解明し、同時に数値的に明示した。そしてそれらの変化要因と構造から形成される各認知領域の特性について考察する事が出来た。このことより得られた成果は、建築・都市設計及び地域計画を行う際の基礎的データとして用いる事が可能であると考えれれる。
すべて 2010
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日本大学生産工学部研究報告A
巻: 43巻1 ページ: 11-15
29th International Conference on Ocean, Offshore and Arctic Engineering
巻: 29 ページ: 4-6