研究課題/領域番号 |
20560595
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研究機関 | 椙山女学園大学 |
研究代表者 |
村上 心 椙山女学園大学, 生活科学部, 教授 (10247603)
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研究分担者 |
生田 京子 名古屋大学, 施設計画推進室, 准教授 (70420370)
川野 紀江 椙山女学園大学, 生活科学部, 助手 (30247605)
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キーワード | 建築・都市経済 / アジア / ニュータウン / 再生 |
研究概要 |
平成20年度の研究計画では日本及び韓国を対象とした調査を予定していたが、平成21年度に予定していたマレーシア調査を繰り上げて、平成20年度に実施した。 平成20年度は、マレーシアの公営住宅における居住者の住まい方および住戸改造の実態を調査・分析することにより、欧米諸国との違いを踏まえ、マレーシアの文化を反映させた持続可能な(サスティナブル)ニュータウンを形成するための再生手法を提示すべく、そのための知見を得ることを目的として調査を行った。 ●調査日程:2008.10.8.-10.13。 ●調査対象:クアラルンプル市内の大規模集合住宅団地から、初期の開発事例である3団地(ワングサマジュ地区及び周辺地域:供給主体DBKL:分譲・賃貸混合)を取り上げた。居住者に対してアンケート調査を実施し、合計102の回答を得た。さらに了解を得られた事例にて住戸内の写真撮影及び、住戸プラン・家具配置等のスケッチを行い、生活像についてヒアリングを実施し、37戸の協力を得た。 ●調査成果のまとめ:団地居住者像と住戸改造の関係を明らかにし、住まい方の実態を明らかにした。居住者の生活はバルコニーや増築部など、住戸内部に留まらず半外部に展開していた。また改造実態についてみると、庇の取付けや外部への増築はその土地特有の気候に対応して行われていた。こうした居住者の住まい方や改造実態は、与えられた住戸の気密性に対して開放的なものであった。また、改修のルールや改修内容が日本及び欧米諸国とは異なり、合意形成が行なわれないまま、共用部分の改修等が行われていた。今後は、こうした改修実態を踏まえ、マレーシア独自の合意形成手法及び再生組織について、検討を行う予定である。
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