研究概要 |
本研究は、第二次世界大戦前に形成された南洋(特に旧南洋群島を中心として)の日本植民都市について、当時の「暮らし」に焦点をあて、内地出身者、沖縄出身者、官舎居住者、漁民、現地住民など、当時を記憶するさまざまな人々の聞き取り調査や当時の生活を物語る資料収集を行い、太平洋の日本型植民都市の都市像をハードとソフトの両方から総合的に描き出すことを目的としている。 平成22年度はこれまでに収集した統計資料、写真地図等資料、沖縄県内での聞き取り調査、これまでの2回のミクロネシアにおける現地調査等の成果の整理分析を行った。戦前のトラック諸島の現況については、現地調査を委託し、その成果をふまえてトラック環礁内および離島部での沖縄県出身者が設置した鰹節工場の分布図を新たに作成した。研究の成果の一部をA STUDY OF URBAN MORPHOLOGY OF JAPANESE COLONIAL TOWNS IN NAN' YO GUNTO Part 4 Natsujima, Truk Islands(南洋群島における日本植民都市の都市構造に関する研究(その4)トラック諸島夏島)としてとりまとめ、日本建築学会計画系論文集に投稿し、現在査読中である。また、A STUDY OF URBAN MORPHOLOGY OF JAPANESE COLONIAL TOWNS IN NAN' YO GUNTO Part 5 Ponape, Kusaie, Jaluit and Yap(南洋群島における日本植民都市の都市構造に関する研究:パート5 ポナペ、コスラエ、ヤルート、ヤップ)についても、論文作成作業を進めている。
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