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2008 年度 実績報告書

異方性弾性論の数理解明と格子欠陥のための計算コード作成

研究課題

研究課題/領域番号 20560616
研究機関九州大学

研究代表者

大澤 一人  九州大学, 応用力学研究所, 助教 (90253541)

キーワード格子欠陥 / 物性理論 / 金属物性 / 照射損傷 / プラズマ・核融合
研究概要

異方性弾性体中の任意の形状をした転位ループ間の相互作用エネルギーを計算する積分式、およびそれに基づいた計算プログラムを作成した。以下に本研究の目的と研究成果を詳しく記述する。材料として利用されている物質のほとんどが弾性論的には異方性弾性体である。しかしながら、異方性弾性論やそれにもとついた転位論は数学的な形式が複雑なので敬遠されてきたように思う。そこで、本研究では異方性を扱った弾性論の数理を研究すると同時に、分かりやすい形式で転位論を記述する方法を模索し、転位の周りの応力場や転位間の相互作用エネルギーを計算する計算コードを開発することを目的にしている。本年度は異方性弾性体中の2個の転位ループの相互作用エネルギーを計算する式を具体的に、また分かりやすい過程で導出することができた。そのためには転位の作る応力場に対応する応力関数を得なければならない。そのために、(1)応力関数を線形変換し、新しい応力関数を作る。(2)この変換によって応力場を電荷分布、応力関数をそれに対応したCoulombポテンシャルに相当する関係に置き換えることができる。つまり応力場と応力関数の6成分はお互いにPoisson方程式の関係で記述される。(3)Poisson方程式の解法はよく研究されているので、比較的簡単に応力関数を計算できる。(4)応力関数から転位ループ間の相互作用エネルギーを表す積分形を得た。積分は転位線に沿った2重の線積分である。(5)それをもとに相互作用エネルギーを計算するプログラムを作った。解析的に計算できる等方弾性体の問題と比較しても一致していることが証明できた。以上が20年度に行った研究成果の概要である。こうした成果は国内の学会や国際会議dislocations2008で発表する機会があった。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2009 2008

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (5件)

  • [雑誌論文] Stress function for dislocation loops in anisotropic crystals2009

    • 著者名/発表者名
      Kazuhito Ohsawa, et al.
    • 雑誌名

      IOP Conference Series : Materials Science and Engineering (掲載決定)

    • 査読あり
  • [学会発表] 異方性弾性体中の転位ループ間の相互作用エネルギー2009

    • 著者名/発表者名
      大澤 一人
    • 学会等名
      日本金属学会
    • 発表場所
      東京工業大学 東京
    • 年月日
      2009-03-28
  • [学会発表] 異方性弾性体中の転位ループおよびその相互作用エネルギー2009

    • 著者名/発表者名
      大澤 一人
    • 学会等名
      日本物理学会
    • 発表場所
      立教大学 東京
    • 年月日
      2009-03-27
  • [学会発表] Stress Functions for dislocation loops in anisotropic crystals2008

    • 著者名/発表者名
      大澤 一人
    • 学会等名
      Dislocations 2008
    • 発表場所
      香港
    • 年月日
      2008-10-17
  • [学会発表] 異方性弾性体中の転位が作る応力場および応力関数の研究2008

    • 著者名/発表者名
      大澤 一人
    • 学会等名
      日本金属学会
    • 発表場所
      熊本大学 熊本
    • 年月日
      2008-09-25
  • [学会発表] 異方性弾性体中の転位とそのお応力場および応力関数の研究2008

    • 著者名/発表者名
      大澤 一人
    • 学会等名
      軽水炉研究会
    • 発表場所
      九州大学 福岡
    • 年月日
      2008-07-11

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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