研究概要 |
平成21年度の成果は以下の通りである. (1)平成20年度に作成したCu-Zn, Cu-Al, Cu-Ga, Cu-Cd, Ni-Znガンマ相合金について密度,格子定数を正確に測定し,単位胞に導入される空孔の組成依存性を決定した.多価元素の濃度の増加により系のe/aは増加するが,単位胞内の原子数が低下することで単位胞内の電子数e/ucがほぼ一定に保たれることを見出した.これで,フェルミ準位が擬ギャップ内にとどめることが可能となり,複雑系の安定化が図られることがわかった.その成果をPhilosophical Magazineに投稿し掲載可とした. (2)これまでの成果をFranceのNancyで開かれた複雑系合金に関する国際会議で講演し,高い評価を得た. (3)本年度の科研費でリナックス計算機と第一原理電子構造計算ソフトWIEN2kを購入し,Cu_5Zn_8ガンマ相合金の電子構造を計算し,フェルミ準位に擬ギャップを形成して安定化していることを明らかにした.
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