ガンマ相合金は単位胞に52個の原子を含む複雑構造系で1原子あたりの電子濃度e/aが21/13で安定化していることが1920年代後半に指摘された.以来,これはHume-Rothery電子濃度則として知られてきた.この経験則を第一原理電子構造計算で定量的に解明する手法として研究代表者はFLAPW-Fourier法を開発した.本研究課題ではこの手法を用いて一連のガンマ相合金の安定化機構が逆格子ベクトルの2乗和が18の格子面群に相当するBrillouin zoneとフェルミ面の相互作用が作り出す擬ギャップ構造に起因することを証明した.
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