• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2010 年度 実績報告書

非晶質系物質の高度集積化構造制御のための包括的解析法の構築

研究課題

研究課題/領域番号 20560625
研究機関千葉大学

研究代表者

岩舘 泰彦  千葉大学, 大学院・工学研究科, 教授 (80168583)

研究分担者 大窪 貴洋  千葉大学, 大学院・工学研究科, 助教 (50534541)
キーワード非晶質 / 融体 / 構造解析 / 回折 / ラマン分光
研究概要

本研究の目的は、非晶質系物質の高度集積化構造制御のための包括的解析法の確立にある。従来行なわれている物質の構造解析の現状は、個別的・分散型の測定方法を独立に適用して個々の結果を得ているにすぎない。従って、測定結果だけでなくその解釈において、大きな差異が生じている。これまでばらばらに適用されてきた手法を規格化し、個々の測定法の特徴を活かした解析を行い、非晶質系物質の高度集積化構造制御のためにそれらの結果を相互にフィードバックしあうだけでなく統一的統合的に解析するソフト開発を本研究で目指す。
非晶質物質の代表としてガラスと高温液体に対して回折実験・ラマン分光実験・計算機実験を行った。ガラスとしては二酸化タリウムを添加したホウ酸塩だけでなくテルル酸塩も対象とし、高温液体としては希土類塩化物とアルカリ塩化物の混合融体を選定した。一連の実験から、それらの非晶質系物質の最適化構造を求めた。ガラス類は溶融・急冷法により調製し、さらに成形・研磨・微粒子化を行う。希土類塩化物は、希土類酸化物と塩化アンモニウムとの反応により合成し、これを昇華精製して使用した。回折実験からは配位数や原子間距離を求め、ラマン分光によりガラスや高温液体内に存在するイオン種等の構造を調べ、構造解析の精密化を図った。それに基づきさらに解析プロセスの高度化を図った。ホウ酸塩系ガラスでは3配位あるいは4配位型B-Oユニットが、テルル酸塩系ガラスでは三方両錐体型や三方錐体型Te-Oユニットが相互に連結して網目構造を形成していることがわかった。希土類混合融体中ではLaやYが6配位型の錯イオン(LnCl_6^<3->)を形成し、希土類の濃度に応じてそれらがさらに頂点や稜を共有してクラスタを形成することもわかった。本研究によりほぼ当初の目的が達成された。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2010

すべて 雑誌論文 (1件) 学会発表 (3件)

  • [雑誌論文] ラマン分光法およびパルス中性子回折法による希土類塩化物-アルカリ塩化物三成分系融体の局所構造の解析-核燃料の乾式再処理への基礎研究分野からのアプローチ-2010

    • 著者名/発表者名
      岩舘泰彦
    • 雑誌名

      Molten Salts(溶融塩および高温化学)

      巻: 53 ページ: 69-85

  • [学会発表] 希土類錯イオンを安定化させる三成分系溶融塩のパルス中性子回折2010

    • 著者名/発表者名
      岩舘泰彦, 大窪貴洋, 他8名
    • 学会等名
      日本中性子科学会第10回年会
    • 発表場所
      仙台, 東北大学
    • 年月日
      2010-12-10
  • [学会発表] 重金属含有ガラスの構造特性2010

    • 著者名/発表者名
      平山尚吾、大窪貴洋、岩舘泰彦
    • 学会等名
      第42回溶融塩化学討論会
    • 発表場所
      函館、ロワジールホテル
    • 年月日
      2010-09-09
  • [学会発表] モンテカルロ法によるデバイの式の最適解評価2010

    • 著者名/発表者名
      大窪貴洋, 岩舘泰彦
    • 学会等名
      第42回溶融塩化学討論会
    • 発表場所
      函館, ロワジールホテル
    • 年月日
      2010-09-09

URL: 

公開日: 2012-07-19  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi