研究概要 |
MgAlB_<14>タイプと同型の化合物であるNaAlB_<14>(斜方晶系Imma)単結晶をAl自己フラックス法で初めて合成し、その最適合成条件および得られた結晶は硬さと磁化率測定を行った。得られたNaAlB_<14>は7.3 mm程度の棒状或いは板状結晶である。ビッカース微小硬さは、測定面によって異なり、23.3(1.0)~28.4(0.6) GPaである。これを基にして、固溶体(Na_xLE_<1-x>)AlB_<14>の結晶合成およびより高硬度の材料開発を行った。即ちNaAlB_<14>のNa位置をLE=Li, Mgおよび希土類金属にかえて固溶体(Na_xLE_<1-x>)AlB_<14>結晶の合成を行った。固溶体(Na_xMg_<1-x>)AlB_<14>結晶が得られたが、それ以外の固溶体高ホウ化物は得られなかった。(Na_xMg_<1-x>)AlB_<14>結晶では組成比(0.21<x<0)で存在し、これらの硬さは31.1(0.8)~33.4(0.9)GPaで、(Na_<0.06>Mg_<0.94>)AlB_<14>よりも(Na_<0.21>Mg_<0.79>)AlB_<14>の方が硬いことが分かった。以上より、固溶体(Na_xMg_<1-x>)AlB_<14>結晶はNaAlB_<14>結晶よりも硬さが大きいことが理解できた。また、NaAlB_<14>と固溶体(Na_xMg_<1-x>)AlB_<14>の低温度での磁化率測定では常磁性を示していることも分かった。
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