ゾル・ゲル法によりZnO-GeO_2光触媒膜を作製した。特にZnO含有量の多いZn_2GeO_4透明結晶膜の作製に初めて成功した。この膜を900℃で熱処理した場合、紫外線照射によりTiO_2より高い光触媒活性が得られた。また、60ZnO-40GeO_2組成で作製した光触媒膜中にZn_2GeO_4ナノロッドが生成していることを見出した。一方、Mn^<2+>を少量含有させてZn_2GeO_4透明結晶膜を作製し、1000℃以上で熱処理したところ、Mn^<2+>に起因する強い緑色蛍光(蛍光量子収率:約60%)が観測された。以上の結果は、光触媒であると同時に蛍光体であるZn_2GeO_4膜が作製できたことを意味し、非常に重要であると考えられる。なお、予想されたことであるが、Mn^<2+>含有Zn_2GeO_4膜において、緑色蛍光が強いほど光触媒活性が劣るという予備的結果を得た。 また、MnO-MgO-ZnO-GeO_2系のガラスセラミックスをゾル・ゲル法により作製した。MgOとZnOの割合を調整することで、いずれもMn^<2+>に起因する赤、黄、緑色蛍光体を作り分けることに成功した。これは、Mn^<2+>が、MgOのMg^<2+>を置換すると赤色蛍光を、ZnOのZn^<2+>を置換すると緑色蛍光を示し、さらに両色の割合により黄色にもなるのである。 さらに、酸化ニオブに基づくAgNbO_3膜をゾル・ゲル法により作製し、可視光照射により光触媒活性であることを見出した。
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