研究概要 |
本研究は、軽量高強度、配向制御応答性、力学的アンカリング性をもつ「ハイブリッドナノフィラーの作製」と、それを高分子中に分散させ「磁場による精密配向制御」の基盤技術を確立することを目的としている。これを発展させ「力学的強度向上と破壊の予測」ができる「機能性接着界面創製」を目指す。 作製したNi-VGCFをUV硬化型エポキシ中に分散させ、フィルム(約80μm)の厚み方向に磁場(本研究費にて購入)を印加しその後UV硬化しフィルムとし、配向挙動を観察した。Ni-VGCF3wt%添加をすることで、連結配向構造が誘起されたことにより厚み方向で体積固有電気抵抗値9.8×10^5Ω・cmを示した。また、同様に面内方向に磁場を印加しその配向挙動を観察した。従来出来なかった磁場による連結した配向制御を短時間で達成できることを明らかにした。作製した異なるNi厚みを有するNi-VGCFを、元素分析から平均表面厚みを換算した。これらをそれぞれシリコンオイル中(粘度1,10Pas)に分散させ、1本の配向速度挙動を観察し、約100倍速度が速くなることを実証した。平均厚みが13nmか31nmかの差はあまりみられず、わずか13nmで飛躍的に速度が速まった。配向の基礎材料パラメータである異方性磁化率を算出し、逆に、磁場配向時間を予測した。回転配向時間を定量的に明らかにして、必要な磁場のプロセス時間を予測した。
|