研究課題/領域番号 |
20560643
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研究機関 | 独立行政法人宇宙航空研究開発機構 |
研究代表者 |
小笠原 俊夫 独立行政法人宇宙航空研究開発機構, 研究開発本部材料グループ, 主幹研究員 (20344244)
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研究分担者 |
吉村 彰記 独立行政法人宇宙航空研究開発機構, 研究開発本部材料グループ, 宇宙航空プロジェクト研究員 (20462898)
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キーワード | 複合材料・物性 / ナノチューブ・フラーレン / 電子顕微鏡 / 材料力学 / 航空宇宙工学 |
研究概要 |
カーボンナノチューブ(CNT)分散複合材料の力学特性を理解するためには、CNTとマトリクスの変形を直接観察することによって実際の現象に即した物理モデルを構築し、界面における力の伝達を定量的に明らかにしていくことが肝要である。本研究ではCNT分散複合材料の変形・破壊挙動を、透過型電子顕微鏡(TEM)や走査型電子顕微鏡(SEM)中においてその場(in-situ)で観察する技術を確立することを研究の目的としている。 当該年度では、現有しているSEMに対してin-situ観察を実施するための機能付与することを中心に研究を実施した。具体的には超音波リニアモータとピエゾアクチュエータを組み合わせることによってナノスケールの微小変位をサンプルに与えることが可能な特殊ステージを製作するとともに、原子間力顕微鏡(AFM)用カンチレバーを利用した超微小荷重測定システムを構築した。また、このシステムを用いて、CNTを分散したPEEKから、1本のCNTのみを引き抜く実験を実施した。その結果、世界ではじめてCNT/PEEK界面強度を直接測定することに成功した。 また、CNTと樹脂の界面せん断強度や滑り応力がCNT分散複合材料の力学特性に及ぼす影響について考察するため、分子動力学法による解析にも着手した。
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