イーター事業やNEDO等で展開されている先端核融合炉には大型の超伝導マグネットが使用される予定であり、より高性能な超伝導線材が必要となり、超伝導線材の実用化が各分野で急ピッチで進められている。その候補の1つである超伝導MgB_2線材は、PIT法での作製が主流であるが、充填した粒子間の空隙率および粒子の破損による超伝導特性の劣化が問題となっている。本研究では、研究代表者による3次元溶湯浸透法によりMgB_2超伝導粉末とアルミニウムを一体に成型してビレットを作製し、押出しで線材化を行うプロセスは新たな線材の製法のコンセプトを応用して、熱間押出し過程で直接複合化して線材化できる技術を確立することで、複合材料ビレットの作製を経ることなく高品質でかつ作業工程の簡便な超伝導線材を直接作製することを目指す。混錬性の高いと考えられるダイスを3種類作製し、作製実験を行なった。混錬性に加え、粒子の粒度分布、とりわけ形状が非常に大きく影響していることがわかり、微細化の末、1mm線の効率的な押出に成功した。合金として半溶融領域の広いMg合金を用いた複合材料において、超伝導MgB_2が均一に分散した良好な材料を得ることができた。電気抵抗測定および磁化測定においても、37-39Kでの超伝導転移が得られた。これは、半溶融を目指して低温化したことにより達成され、特許出願した。Mgでの超伝導複合材料は世界で始めてであり、国際雑誌と国際会議にて発表予定である。
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