研究課題/領域番号 |
20560656
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研究機関 | 大阪市立大学 |
研究代表者 |
佐藤 嘉洋 大阪市立大学, 大学院・工学研究科, 教授 (00170796)
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研究分担者 |
川上 洋司 大阪市立大学, 大学院・工学研究科, 准教授 (90305615)
菊地 靖志 大阪市立大学, 大学院・工学研究科, 客員教授 (90005405)
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キーワード | 抗菌機能化金属材料 / バイオフィルム / 微生物腐食 / 新機能材料 / バイオマテリアル |
研究概要 |
前年度までに銀、金、白金等の貴金属を含む20種類以上の金属元素について抗菌性を評価した。この場合、JISの評価基準である材料が菌液と接触後24時間での生菌数の調査だけでなく、24時間以内の各時間による生菌数変化を追跡し、各種金属材料の抗菌特性を総合的に評価した。抗菌性を調べた結果を参考として選定した金属材料試験片上で大腸菌ならびに黄色ブドウ球菌等の微生物を培養して、各種金属元素材料表面上へのバイオフィルムの付着状況を調査した。光学顕微鏡を用いてバイオフィルムの付着面積率を調査することにより、各種金属元素材料の抗菌性とバイオフィルムの付着状況の相関性について検討した。その結果、銀などの抗菌性が非常に強い材料表面では、抗菌性が認められない材料表面に比べてバイオフィルムの生成が抑制されることが判った。また、抗菌処理を施した材料表面では、抗菌性を持たない材料表面のバイオフィルムの付着面積率が同一でもバイオフィルム内の生菌数が異なる場合があることが判った。これはバイオフィルム内の菌のほとんどが生菌である活性なバイオフィルムを生成する金属表面とほとんどが死菌になる活性を失ったバイオフィルムを生成する金属表面があることを示している。これはバイオフィルム内の菌の生死判別についても二重染色法等を用いて蛍光顕微鏡により観察して得られた知見である。これらの調査を通じてバイオフィルムの生成挙動と各種金属材料の抗菌性の関係について更に検討する。 また、金属材料の他に金属イオンを用いて、金属イオンによる最小殺菌濃度を求めることにより金属イオンによる抗菌性を調べる実験を開始している。金属材料および金属イオンの両者の抗菌性を比較する事により総合的に金属の抗菌性を評価できると考えている。
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