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2009 年度 実績報告書

電解質ミクロ相の構築と異方伝導性電解質膜への応用

研究課題

研究課題/領域番号 20560664
研究機関独立行政法人日本原子力研究開発機構

研究代表者

浅野 雅春  独立行政法人日本原子力研究開発機構, 量子ビーム応用研究部門, 研究主幹 (50370341)

研究分担者 陳 進華  独立行政法人日本原子力研究開発機構, 量子ビーム応用研究部門, 研究副主幹 (30370430)
キーワード燃料電池用電解質膜 / 光グラフト重合 / イオンビーム照射
研究概要

本年度は、イオンビーム照射により潜在飛跡領域を形成させたポリテトラフルオロエチレン(PTFE)に、基材表面のみラジカル生成が可能な光グラフト重合を組み合わせたグラフト重合法を検討した。膜厚25μmのPTFEに^<15>N^<3+>(56MeV)および^<129>Xe^<23+>(450MeV)を最高3x10^9ions/cm^2のフルエンスで照射後、加熱処理によりラジカルを消失させた。次に、このフィルムをスチレン/アセトン/水からなるモノマー溶液中に浸漬し、高圧水銀ランプ(400W)を用いて、窒素ガス雰囲気下、60℃で光グラフト重合を行なった。Nイオン照射系はフルエンスに依存しないで、グラフト率は一定で7%のグラフト率を示した。この値は、イオン照射を経ない潜在飛跡領域の存在しない未照射系PTFEによるグラフト重合反応で得られたグラフト率と同程度であった。これに対し、Xeイオン照射系ではフルエンスとともにグラフト率は増加し、3x10^9ions/cmのフルエンスにおいて急激な増加が観察された。この原因として、PTFEに対するそれぞれのイオン照射により生成される潜在飛跡領域の大きさが影響していると考えられる。すなわち、Magreeらの式から求めたそれぞれのイオンの潜在飛跡領域は、Nイオン照射系の57nmに対し、Xeイオン照射系では216nmまで大きくなることが分かった。結果として、大きい潜在飛跡領域ほど、モノマーの侵入が早くグラフト鎖の成長を促進すると推察した。さらに、Xeイオン照射系では2.1x10^9ions/cmのフルエンスで潜在飛跡領域が重なるため、3x10^9ions/cmのフルエンスにおいてグラフト率が急激に増加した。これに対し、Nイオン照射系での潜在飛跡領域の重なるフルエンスは3.1x10^<10>ions/cmであり、グラフト率の急激な増加は観察されなかった。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2009

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件)

  • [雑誌論文] Preparation of PTFE-based fuel cell membranes by combining latent track formation technology with graft polymerization2009

    • 著者名/発表者名
      M.Yoshida, Y.Kimura, M.Asano, J.Chen, Y.Maekawa
    • 雑誌名

      Radiat.Phys.Chem. 78

      ページ: 1061-1066

    • 査読あり

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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