• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2009 年度 実績報告書

超臨界二酸化炭素を用いる繊維・高分子のめっき

研究課題

研究課題/領域番号 20560668
研究機関福井大学

研究代表者

堀 照夫  福井大学, 大学院・工学研究科, 教授 (90092832)

研究分担者 久田 研次  福井大学, 大学院・工学研究科, 准教授 (60283165)
キーワード超臨界二酸化炭素 / アラミド繊維 / 有機金属錯体 / 無電解銅めっき / 密着強度 / 乾熱処理
研究概要

超臨界二酸化炭素を用い、各種繊維・高分子材料に有機金属錯体を注入し、これを繊維・高分子内部で還元分解させ、金属を析出させる。金属は内部で名の微粒子となって存在し、表面にまで露出している。これを核として利用することで容易の無電解めっきができる。
これまでにパラジウム錯体を中心にポリエステル、ナイロンなどの繊維や高分子プレートについて上記方法で銅めっきについて成功してきたが、本研究では工業的なメリットを考慮し、高強力。高抗張力繊維アラミドのめっき条件を追求している。アラミド繊維は高結晶性でガラス転移温度も高く、錯体の注入にはより強い注入条件が必要であることが分かった。21年度の研究ではできるだけ注入しやすい金属錯体をとの注入条件を徹底的に追求した。具体には用いる超臨界流体装置の限界である150℃、25MPaで30分以上注入させ、その後、さらに取り出した試料を190℃の高温で乾熱処理する方法を見出した。また、フッ素を含むパラジウム錯体(Pd(fha)2とフッ素を含まない錯体(Pd(acac)2)との違いについて、特に超臨界二酸化炭素に対する溶解性、アラミド繊維に対する親和性の大きな違い、さらに還元性の差を明らかにした。
得られた成果をエポキシや液晶ポリマー材料のめっきの応用にも展開した。いずれも従来方法では強固なめっきができなかったが、今回見出した超臨界二酸化炭素流体を用いる金属錯体注入法による銅めっきが十分可能で可能であることを見出した。また、金属錯体を2種混合することによる効果、水素還元による金属析出率の向上およびこの効果によるめっき密着性の向上などの成果を確認した。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2010 2009

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件) 産業財産権 (1件)

  • [雑誌論文] 超臨界二酸化炭素を媒体とする繊維内への高分子化合物の注入2010

    • 著者名/発表者名
      堀照夫, 馬場俊之, 久田研次, 廣垣和正, 田畑功, 奥林里子
    • 雑誌名

      繊維学会誌 66

      ページ: 70-73

  • [雑誌論文] Impregnation of chitin/chitosan into polyester fabric using supercritical carbon dioxide2010

    • 著者名/発表者名
      T.Baba, K.Hirogaki, I.Tabata, S.Okubayashi, K.Hisada, T.Hori
    • 雑誌名

      Sen'i Gakkaishi 66

      ページ: 63-69

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 超臨界二酸化炭素流体を用いる繊維加工とこの実用化2009

    • 著者名/発表者名
      堀照夫
    • 雑誌名

      産学官連携ジャーナル 5

      ページ: 10-13

  • [学会発表] hermal Treatment for Aramid Films Impregnated with Metal Complex Using Supercritical Carbon DioXide2009

    • 著者名/発表者名
      M.Belmas, I.Tabata, K.Hisada, T.Hori
    • 学会等名
      平成21年度繊維学会年次大会
    • 発表場所
      タワーホール船堀
    • 年月日
      2009-06-16
  • [産業財産権] 高分子繊維材料のメッキ前処理方法、メッキ方法及び被膜形成方法並びに導電性繊維材料の製造方法2009

    • 発明者名
      堀照夫, 趙習
    • 権利者名
      福井大学
    • 産業財産権番号
      特許第4314370
    • 出願年月日
      2009-05-29

URL: 

公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi