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2010 年度 実績報告書

高反応性大気圧水プラズマによるプラズマプロセス

研究課題

研究課題/領域番号 20560678
研究機関東京都市大学

研究代表者

小野 茂  東京都市大学, 工学部, 教授 (80097170)

キーワード大気圧プラズマ / 水 / 表面処理 / 精密洗浄 / ポリイミド
研究概要

環境負荷の低い水をプラズマガスとして用いて、水に容易に吸収されるマイクロ波(2.45GHz)を用い、マイクロ波共振器の形状を工夫し、ガス流を放電の安定化に用いたプラズマ源を開発し、大気圧プラズマを用いた表面洗浄、表面改質、有機物分解に関する基盤技術の確立を目的としている。
テーパー型導波管を用いたプラズマ源は計画どおり安定な動作をし、良好なプラズマを生成できたことが、分光的手法を中心とするプラズマ診断により確認できた。さらに生成されたプラズマ下流に存在し応用上重要な酸素ラジカル密度も、当研究グループで開発された白金触媒プローブにより、その絶対値の測定を行うことができ、反応の詳細を検討する手段となった。
応用においてプラズマ中の生成粒子種の把握および制御は極めて重要である。実験によってすべての粒子種の挙動を把握することは事実上不可能であるので、プラズマ中で起こる様々な衝突過程を考慮した数値計算により生成粒子種の全体像を捉えることを行った。さらに、分光分析により、計算された粒子種の一部の挙動は実験的に数値計算結果と比較することができた。二酸化炭素の分解実験中に分光計測を行った結果、水分子の解離生成物が二酸化炭素の流入により急激に消費されるという興味ある現象を捉える事が出来た。
ポリイミドフィルムの親水化処理においては高密度の0やOHラジカルが生成されるため、約1秒間の処理で十分な親水性が得られ、極めて高速処理が実現された。プラズマクリーニングの応用においては、良好なクリーニング効果がえられたが、予想どおりラジカル密度を直接的に関係することが、触媒プローブの実験をとおして確認された。二酸化炭素の水プラズマによる有効資源化においては、アセトン、エタノールなどの有用物質が得られたが、効率の点で改善すべき点が明確となった。

  • 研究成果

    (7件)

すべて 2010

すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (2件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] 大気圧マイクロ波プラズマを用いた表面処理におけるラジカルの効果2010

    • 著者名/発表者名
      小野茂、山田雅仁
    • 雑誌名

      電気学会論文誌A基礎・材料・共通部門誌

      巻: 130 ページ: 919-924

    • 査読あり
  • [雑誌論文] High speed surface modification of polyimide film using atmospheric pressure microwave excited plasma2010

    • 著者名/発表者名
      Shigeru Ono
    • 雑誌名

      Proc.of 4th Japan/US Symposium on Pulsed Power and Plasma Applications

      巻: PST-10-19 ページ: 17-22

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 大気圧マイクロ波プラズマによるポリイミドの表面改質2010

    • 著者名/発表者名
      千葉隼人, 小野茂, 他
    • 雑誌名

      電気学会プラズマ研究会資料

      巻: PST-10-065 ページ: 1-6

  • [雑誌論文] 水中パルスアークによって発生した衝撃波の観測2010

    • 著者名/発表者名
      古泉秀樹, 小野茂, 他
    • 雑誌名

      電気学会プラズマ研究会資料

      巻: PST-10-113 ページ: 31-37

  • [学会発表] Plasma surface modification using atmospheric pressure microwave plasma2010

    • 著者名/発表者名
      Shigeru Ono
    • 学会等名
      The 16^<th> International Conference on Advanced Oxidation Technologies for Treatment of Water, Air and Soil
    • 発表場所
      Town & Country Resort, San Diego, California(USA)(招待講演)
    • 年月日
      2010-11-17
  • [学会発表] 大気圧マイクロ波プラズマを用いたCO2分解2010

    • 著者名/発表者名
      児玉健太朗, 小野茂
    • 学会等名
      電気学会 基礎・材料・共通部門大会
    • 発表場所
      琉球大学工学部(沖縄)
    • 年月日
      2010-09-13
  • [図書] 二酸化炭素の有効利用技術2010

    • 著者名/発表者名
      小野茂, 他
    • 総ページ数
      37-45
    • 出版者
      サイエンス&テクノロジー株式会社

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公開日: 2012-07-19  

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