研究概要 |
本研究では、有機高分子ポリ(3-ヘキシルチオフェン)rr-P3HT薄膜を湿式二方式ドロップキャスト法とスピンコート法で作製し、レーザー(波長248nm,KrFエキシマレーザ)照射による高分子の形態制御が行なえることを見出した。この成果は、レーザー照射により高性能な有機電界効果トランジスタの設計製作法の開発に寄与するものである。 1.高分子膜の骨格面が基板に垂直か水平かは電気特性導電性に影響する。スピンコート法においてもドロップキャスト法と同じく成膜時の雰囲気ガスと回転スピードならびに時間が高分子膜の形態形成に大きく影響することを見出した。分光光度計とX線回折装置による評価実験結果の結論である。 2.レーザー照射により、高分子膜の吸収スペクトルのブルーシフトが観察され高分子膜の分子切断による形態が変化したことが実証された。分光光度計による評価実験結果が示している。 3.レーザーアブレション加工において、高分子の分子切断による軽加工と機械的加工による重加工の分離が可能であることを、レーザーフルエンスに対するX線回折スペクトルの実験データの解析から見出した。レーザー照射にはレーザフルエンス可変光学系が用いられた。 4.光学式三次元形状計測の手法の検討とカメラのズーム特性を考慮したシステム開発により、画像顕微鏡による観察だけでなく、材料表面の三次元超精密計測の可能性を見出した。 5.研究成果は論文として学会で公開発表した。
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