本研究では、色素増感太陽電池において物理的複合処理(低温プラズマ/イオン注入)による半導体電極のナノ表面・バンド構造制御研究開発を行い、光電変換効率を増大させる研究に取り組んでいる。プラズマ処理法とイオン注入法の物理的複合処理により高効率化を達成するための半導体ナノ表面やバンド構造の最適制御技術を開発し、開放端電圧の増大に加えて、短絡電流の増大の実現をも図るものである。平成21年度において、平成20年度実施課題目標(1)~高性能ドープ半導体電極の研究開発~(遷移金属ドープ半導体電極の伝導帯準位制御に関する研究)で開発した遷移金属ドープチタニア電極、すなわちチタニア伝導帯をネガティブシフトさせたドープチタニア電極を用いて窒素ドーピングを行い、酸素欠陥準位を形成させる取り組みを行った。同様に酸素欠陥準位の最適形成のためのドーピング条件を明らかにした。さらに、以下の研究課題を実施した。 目標(2)長波長光吸収色素を用いたドープ半導体電極による高効率化に関する研究 既存HOMO-LUMOギャップ狭窄化色素とバンド構造制御チタニア電極の組合せによる高効率化技術の開発を行った。 目標(3)(低温プラズマ/イオン注入)複合処理による高効率化の研究開発 目標(1)及び(2)の成果から物理的複合処理によって高効率化を図った。 目標(4)長波長光吸収色素を用い(低温プラズマ/イオン注入)複合処理による高効率化に関する研究 長波長吸収色素を用い、物理的複合処理によって高効率化を図った。
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