20年度に購入したピエゾアクチュエータおよびピエゾドライバを用いて、高速インデンタの作製を行った。この装置は、不働態化した金属電極表面をピエゾアクチュエータの先端に取り付けたインデンタで高速にインデントし、その機械的な皮膜破壊に伴う電流遷移を高速で測定するものである。インデントする場所を設定するため、インデンタは位置決め再現性が10μの既存の3軸ロボット上に備え付け、インデンタとして、マイグロインデンテーション用のダイヤモンド圧子を取り付けた。3軸ロボットによる位置決め用のプログラムはLabVIEWを用いて作製した。また、インデンテーションのため、ピエゾドライバをコントロールするためのファンクションジェネレータを制御し、ざらに、電流応答を測定するポテンショスタットに接続した高速のデータロガーからデータをインデンテーションと同期させて取り込むプログラムをLabVIEWにより作製した。このプログラムでは、インデンテーションの振幅、速度をコントロールし、一回のインデンテーションを行う事が出来る。また、同一箇所の皮膜破壊の繰り返しの効果を実験するために、周波数、インデンテーションの繰り返し回数と間隔をコントロールして行う事を可能とした。本研究では、インデンテーションの制御やそれと同期させた電流応答の高速測定は、既存の実験システムでは行えないものであり、実験システムの作製が必要である。システム自体の作製はほぼ達成した。
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