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2008 年度 実績報告書

ヒ素固定化のためのスコロダイト生成の機構解明と制御

研究課題

研究課題/領域番号 20560694
研究機関九州工業大学

研究代表者

伊藤 秀行  九州工業大学, 大学院・工学研究院, 助教 (90213074)

研究分担者 高須 登実男  九州工業大学, 大学院・工学研究院, 准教授 (20264129)
キーワードヒ素 / スコロダイト / 固定化 / 非晶質 / 結晶化
研究概要

本研究では、非鉄製錬で分離回収されたヒ素をスコロダイト形態で固定化するため、スコロダイトの生成機構を科学的に解明し、処理プロセスを構築する。
平成20年度は、非晶質ヒ酸鉄の結晶化機構を解明することを目的とし、35℃での中和処理により非晶質ヒ酸鉄の作成をおこない性状を調査した。
作成した非晶質ヒ酸鉄試料を用いて雰囲気、温度が結晶性および粒子の大きさに及ぼす影響について、95℃の水蒸気飽和と乾燥雰囲気と160℃の水蒸気飽和雰囲気で保持し、一定時間毎に試料を取り出し時間変化を調査した。95℃の水蒸気飽和で円盤状に加圧成形した試料でも実験をおこなった。
また蒸留水に硫酸を添加してpHを調整した水溶液に試料を添加し、24時間保持し、以下の知見を得た。
1.作成した非晶質ヒ酸鉄のXRD分析ではピークが見られず、非晶質あるいは結晶性の低いものであった。SEM観察では、直径1μm程度の粒で構成されていた。
2.水蒸気飽和雰囲気、95℃の場合、12時間で結晶化し、10μmほどの粒ができる。
3.乾燥雰囲気の場合、結晶化しない。粒の大きさは変化しない、結晶化には水分が必要である。
4.160℃の場合、1時間で結晶化する。1時間で10μm程の塊ができ、時間経過とともに大きな塊となる。
5.成形した場合、9時間で結晶化する。表面では9時間で塊ができ、内部では24時間で塊ができる。
6.気相雰囲気で保持した場合、時間の経過にともない結晶性は高くなり、大きな塊ができる。
7.液相雰囲気で保持した場合、pHに依って結晶性や形状が異なったが、XRD分析でスコロダイトのピークが見られた。結晶化に必要な水分は気体でも液体でもよい。
8.保持pHが高くなると1μm程度の粒が多く見られるようになり、板状の結晶ができる。

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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