研究概要 |
本研究は,「コロイド包括ゲル化処理プロセスを用いた新規なコロイド粒子除去プロセスあるいは溶存有害物質除去プロセス」を開発することを目的としている。 1. コロイド懸濁質としてシリカ微粒子(粒子径25〜200nm, 1000ppm)を含む懸濁液をアルギン酸Na (Na-Algと略記)水溶液(10000ppm)と等量混合し,この混合液を5倍量の塩化カルシウム水溶液(10000ppm)に滴下することにより,コロイド包括アルギン酸Caゲルを調製した。ゲル懸濁液は重力脱水後,70kPaで定圧圧搾した。ゲルの網目構造を変化させるため,(1)上記のNa-Alg濃度を2倍にしたゲル,(2)カルボキシメチルセルロースNa (Na-CMCと略記)水溶液をNa-Alg水溶液(10000ppm)に対し種々の割合で添加したゲルによる包括処理も行った。搾液への微粒子の漏れは,シリカ微粒子の粒子径が小さくなるほど増えるが,最大でも仕込み量の1%程度であった。漏れ量はゲル調製時のNa-Alg濃度に依存しなかった。一方,ゲル調製時にNa-CMCを添加した系では,添加量が増えるとシリカ微粒子の漏れ量が減少する傾向が見られた。 2. ゲル懸濁液を内径60mmの圧密セルに仕込み,種々の予圧密圧力とその2倍以内の圧搾圧力条件下で定圧圧搾試験を行い,初期の圧搾脱水速度より網目孔径を求める手法を開発した。空隙比が20以上の圧縮条件下では,ゲル調製時にNa-CMCを添加した系の方が無添加の系より網目孔径小さくなり,1.の内容と対応する結果が得られた。
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