研究概要 |
本研究は,「コロイド包括ゲル化処理プロセスを用いた新規なコロイド粒子除去プロセスあるいは溶存有害物質除去プロセス」を開発することを目的としている。 1.ゲル懸濁液を内径60mmの圧密セルに仕込み,種々の予圧密圧力とその2倍以内の圧搾圧力条件下で定圧圧搾試験を行い,初期の圧搾脱水速度よりゲルの網目孔径を求める手法を開発した。この手法により得られる網目孔径は,従来の圧縮透過データから得られる網目孔径より大きい。両手法の違いは,酸化鉄,酸化亜鉛,カオリン等の粒子系試料の充填層に対しても同じ傾向であった。充填層が自然凝集体やゲル粒子からなる場合,凝集体やゲル間のマクロ流路と凝集体内あるいはゲル内のミクロ流路が混在し,従来法ではマクロ流路の情報が強調され,圧搾法ではミクロ流路の情報が協調されるものと考えられる。したがって,ゲル細孔径の測定には圧搾法が適していると考えられる。 2.トルイジンブルーをモデル物質として用い,この水溶液をベントナイト懸濁液と混合し吸着処理した後,アルギン酸Na水溶液と混合し,この混合液を塩化Ca水溶液に滴下しコロイド包括ゲルを調製し,重力脱水,圧搾脱水した。ベントナイトを介在させることにより,トルイジンブルーのゲル内への捕捉量が劇的に向上した。
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