研究課題/領域番号 |
20560709
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研究機関 | 独立行政法人産業技術総合研究所 |
研究代表者 |
井上 朋也 独立行政法人産業技術総合研究所, コンパクト化学プロセス研究センター, 研究員 (20392590)
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研究分担者 |
清住 嘉道 独立行政法人産業技術総合研究所, コンパクト化学プロセス研究センター, 主任研究員 (60356904)
長瀬 多加子 独立行政法人産業技術総合研究所, コンパクト化学プロセス研究センター, 主任研究員 (30357628)
長谷川 泰久 独立行政法人産業技術総合研究所, コンパクト化学プロセス研究センター, 研究員 (90392646)
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キーワード | ゼオライト膜 / 脱水プロセス / 劣化 / エステル化 / プロセス強化 |
研究概要 |
1.疎水膜の劣化挙動について 2次成長法により、代表的な疎水性ゼオライト膜であるシリカライト膜を調製し、その透過分離性能を6℃の5wt%エタノール水溶液を用いて評価した。測定には、リアルタイムガス分析装置(当年度購入)を組込んだ浸透気化性能測定装置を使用した。その結果、測定開始直後のエタノールの透過流束は、3.1mmol/(m^2s)だった。その後、時間の経過とともに透過流束は徐々に減少し、測定開始12時間後には2.8mmol/(m^2s)だった。このことから、疎水性ゼオライト膜の疎水機能が時間に比例して低下することが示された。 2.親水膜の劣化挙動について 2次成長法により、代表的な親水性ゼオライト膜であるフィリップサイト膜を調製し、その透過分離性能を40℃の各種有機溶媒含有水溶液を用いて評価した。測定には、リアルタイムガス分析装置(当年度購入)を組込んだ浸透気化性能測定装置を使用したほか、各種キャラクタリゼーションを併用した。その結果、ゼオライト結晶のイオン交換に伴い親水性が減少し、これが水流束の低下を引き起こしていることがわかった。また、フィリップサイトおよびマーリノナイトについて、ゼオライト結晶の構造は酢酸程度の弱酸ではイオン交換を引き起こす程度で保持されているのに対し、スルホン酸程度の強酸ではこれが破壊されてしまうことが示唆された。これは、触媒との複合化プロセスの設計に資する結果であると考えている。
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