研究課題/領域番号 |
20560722
|
研究機関 | 関西大学 |
研究代表者 |
鈴木 俊光 関西大学, 環境都市工学部, 教授 (70026045)
|
研究分担者 |
三宅 孝典 関西大学, 環境都市工学部, 教授 (00351495)
池永 直樹 関西大学, 環境都市工学部, 准教授 (20232209)
|
キーワード | 合成ガス / 水素 / 部分酸化 / 酸化鉄 / 複合酸化物 / 酸化イットリウム / 触媒 / ロジウム |
研究概要 |
メタンなどの炭化水素から、合成ガス・水素を製造する新しい方法として、エネルギー効率が高く、起動と停止が比較的容易で、純酸素製造設備などが不要な方法の基礎的な開発を行った。すなわち、固体の金属酸化物の格子酸素を酸化剤としてメタンの部分酸化を行った。高性能な金属酸化物として、鉄族の金属酸化物に着目し。酸化鉄を酸化イットリウムに担持した複合酸化物を触媒として用い、メタンとの反応を800oCで行った。主として完全酸化反応が起こりCO2とH20が生成した。 この触媒に種々の金属の添加効果を検討したところ、少量のロジウムを添加することにより、メタン転化率58%、水素選択率77%、CO選択率60%を得た(1式)。このとき複合酸化物中の酸化鉄は金属鉄またはFeOへ還元されていた。酸化剤の複合酸化物を再生するために、メタンと反応後の触媒層へ空気を導入すると、還元された鉄種は酸化されて元の複合金属の原子価状態に戻った。このように再生された酸化物とメタンの反応を行ったところ、最初の複合酸化物とメタンの反応とほぼ等しいメタン転化率、水素、CO選択率で起こった。 (2)式の再酸化中の出口ガスは放出し、(1)式のメタンと複合酸化物との反応における生成物から、窒素を含まない水素、COを得る。 CH4+Fe2O3→CO+2H2+FeO+Fe(1) FeO(Fe)+Air→Fe2O3+N2(2) 本プロセスが実用化されるためには、このように反応と再生を繰り返して行っても、酸化物の活性が低下しないことが重要である。酸化鉄20mmolを1グラムの酸化イットリウムと複合化させ、0.5mmolのRhを添加した触媒では、新たに調製した触媒に比べ、3回の反応と再生を行った後には10%程度メタン転化率の低下が生じたが、5回目以降は安定した活性を示し、繰り返し使用に耐えることが分かった。
|