研究概要 |
1.数値流体計算コードの開発 1.1タービン特性 波力発電用空気タービンや風車まわりの流れを推定するため,開発中の数値流体計算コードを改善し,計算精度の向上を目指し,失速およびレイノルズ数影響を的確に表せる計算コードを開発中である.計算の安定性,計算速度,複雑な形状,練成問題への対応を視野に開発を進めている.より少ない格子点数で精度が高い数値計算により,長時間の計算を必要とする非定常問題などを実用的な計算時間で結果を得ることに主眼を置いている.2次元計算ではダリウスタービンの非定常流場,3次元計算は斜め風による水平軸風車特性の解析を行い,計算の安定性向上とともに,長時間計算における収束解(トルク係数が単調増加や減少しない解)を算出し,開発している計算コードの有効性が確認できた. 1.2浮体特性 通常,浮体や空気室特性はタービンなどの非線形な外部負荷を等価線形化して解析を行っている.また,実験データの解析においても等価線形化の手法が導入されている.このため,負荷の非線形影響について吟味する必要があるが,十分な評価はなされて来なかった.非線形負荷を扱うために,時間領域での解析を実施し,等価線形化による影響をオリフィス負荷について調査し,等価線形化による影響は約1割以下であることが確認できた。 これにより,従来行われてきた規則波中の実験結果に対する非線形負荷影響は少ないことが確認された。 2.風車 風車の歴史は古く,一様定常流中での大幅な性能改善は望めない段階にまで洗練されつつある.ただし,風向風速が変化する実際のフィールド性能の向上には風向風速予測と運転制御方法の改善が必要である.このために必要な風車特性が推定可能な数値計算コードの開発を行っており,計算結果と比較参照する実験データの信頼性についても,風車効率や簡易計算法の導入により評価し,計算精度や風車特性の評価を実施した.
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