| 研究概要 |
核融合プラズマの境界形状を磁気センサー信号から知るコニシー条件面法の3次元化は人跡未踏であった。今年度、核融合科学研究所の大型ヘリカル装置LHDの非軸対称3次元プラズマに対して初めて本格的な適用に成功した。
(1)センサー信号として磁場3成分および磁束ループ信号を想定し、ベクトル・ポテンシャルのデカルト座標3成分(A_x,A_y,A_z)に基づく境界積分方程式を連立させた。
(2)ベクトル・ポテンシャルの周回積分で定義される磁束ループ信号に対応させて、境界積分方程式の基本解部分のみを積分するアルゴリズムを導入した。
(3)LHDの回転対称性に着目して未知数の数を1/5に減じるアルゴリズムを加えた。
(4)プラズマ電流のみの寄与による磁場分布の逆解析結果は最外殻磁気面の外側で順解析コードHINTによる基準解と概ね一致し、さらにコイル電流による寄与を重ねると磁場分布の再現は極めて良好となった。
以上のように磁場3成分が良好に再現されたことは、プラズマの最外殻磁気面(境界形状)を同定することが原理的に可能となったことを示す。今後の研究の主眼は、最外殻磁気面を表示させる具体的な手法を開発するとともに、逆解析精度の向上に向けられる。
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