研究概要 |
本研究では,ICRF加熱により発生する高エネルギーテイルイオン粒子の振る舞いを数値シミュレーションにより解析し,自発的なトロイダル流発生機構を明らかにすることを目的としている.具体的には,イオン捕捉を用いたトロイダル流生成機構(Ohkawaモデル)の現実的なプラズマにおける検証を行い,次に,高エネルギーテイルイオンの有限軌道幅によるトロイダル流駆動とリップル磁場の影響について研究を行う 平成22年度は,昨年度得られたICRF加熱により駆動される波数の符号に依存するトロイダル・シア流とそれよりも大きな波数の符号に依存しないトロイダル流について,さらに詳細に解析するとともに,理論的な解析をテキサス大学の研究者と共同で行った.結果として,前者のトロイダル・シア流はOhkawaモデルで示唆された機構によるものであることが分かった.また,後者のトロイダル流は,高エネルギー粒子の有限バナナ幅とポロイダル・ドリフト効果によるトロイダル運動が原因で駆動されているものであることが分かった これらの研究成果は,IAEA核融合エネルギー会議2010(韓国)において論文発表し,また第27回プラズマ・核融合学会年会では,研究成果が評価され招待講演を行った.さらに,RF加熱プラズマに関する国際会議で最も権威のあるTopical Conf.on RF Plasmas 2011においても,招待講演に選ばれ,講演を行う予定である
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