研究課題/領域番号 |
20560780
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研究機関 | 独立行政法人日本原子力研究開発機構 |
研究代表者 |
逢坂 正彦 独立行政法人日本原子力研究開発機構, 大洗研究開発センター・燃料材料試験部, 研究副主幹 (10421471)
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研究分担者 |
矢野 豊彦 東京工業大学, 原子炉工学研究所, 教授 (80158039)
三輪 周平 独立行政法人日本原子力研究開発機構, 大洗研究開発センター・燃料材料試験部, 研究員 (50421780)
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キーワード | 原子力エネルギー / アスベスト / 核燃料 / 密度制御 / 添加剤 |
研究概要 |
H21年度のPuO_2の模擬物質としてCeO_2を用いた非均質型燃料の評価結果に基づき、H22年度は、PuO_2単体及びMoまたはMgOとPuO_2からなる非均質型燃料の焼結試験を行い、アスベスト廃材由来の助剤が緻密化および熱伝導率に及ぼす影響を評価した。また、Si_3N_4を母材とした非均質型燃料では、CeO_2を用いて調製した試料に対し、硝酸溶解性に及ぼす助剤の影響を評価した。助剤としては、フォルステライト(Mg_2SiO_4)およびエンスタタイト(MgSiO_3)を用いた。 PuO_2単体について焼結試験を行った結果、助剤添加により1473-1673Kの比較的低温にて約10%高い密度が得られ、緻密化が促進されることがわかった。一方、MgOまたはMoとPuO_2からなる非均質型燃料では、助剤添加により密度が低下した。これは、本試験条件下で助剤添加によりPuO_2の緻密化が大幅に促進されたことで、MgOまたはMoとPuO_2の間で緻密化挙動の不一致が生じたためと考えられる。燃料物性として、MgOとPuO_2からなる非均質型燃料に対して熱伝導率を評価した結果、助剤を含む非均質型燃料の熱伝導率は低下することがわかった。これは助剤の低い熱伝導率に起因するものと考えられ、その影響は複合材料に対するモデリング式により再現できることを明らかにした。 Si_3N_4を母材とした非均質燃料については、核燃料の湿式再処理で重要となる硝酸溶解性を評価した。非均質型燃料のSi_3N_4相以外のCeO_2を含む粒界相(アクチニド化合物を含有すると想定される相)が、硝酸に溶解することを明らかにし、本非均質型燃料に対し湿式再処理技術を適用できる可能性が示された。
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