研究概要 |
照明光の動的空間分布制御による次世代半導体表面ナノ欠陥計測手法の確立を目的として, 本研究課題と関連した研究である「変調照明シフトによる光学式超解像欠陥計測法に関する研究」において, 光源波長488nm, NA0.95, 回折限界313nmの光学結像系を用いて, 150nmラインアンドペースの解像および250nmラインアンドスペースの欠陥検出実験を行った. 提案手法によって従来の光学顕微観察手法では解像することができないパターンを解像できること, ナノ欠陥を検出することが可能であることがわかった. 以上から, この結果は次世代半導体の欠陥検査において意義深く重要である. 本研究課題に関して, 定在エバネッセント光照明分布の動的制御, 複数画像の逐次的再構成による超解像顕微法を基礎的に検証するための装置を開発し, 定在エバネッセント光生成, 散乱光結像, 離散的サンプルによる解像実験を行った. 提案手法の基礎原理を実験的に確認することができた. この結果は, 本研究課題を推進し, ナノ欠陥を高速に計測する手法の開発をするに際して意義深く重要である. 本研究課題と関連した研究である「定在波シフトによる半導体ウエハ表面の超解像光学式欠陥検査」に関して, ピクセルサイズと解像力との関係を計算機シミュレーションにより検討したところ, 変調照明の微小シフトによりピクセルサイズ以下の解像(サブピクセル標本化)が実現する可能性があることがわかった. この結果は, CCDエリアセンサを含む顕微観察系のような空間サンプリングのサイズが有限な系においてもピクセルサイズ以下の解像が行えること, すなわち, 視野を狭めずに高分解能計測が可能な点で意義深く重要である.
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