研究概要 |
コンテンツ循環における権利継承管理を構成する各システムおよびシステム全体の信頼性を評価するための、評価指標とそれを用いたシステム間の信頼評価モデルを検討した。本研究では,コンテンツ循環のシステム全体の信頼性は,流通過程における不正な複製や改竄の有無,及び,制作過程において利用した素材の権利管理及び権利処理の正しさを検証することで評価できると仮定した.そこで,信頼評価基準の検討では,コンテンツ及びライセンスの流通過程と内容自身の2つの視点から評価指標を検討した.流通過程の評価指標としては,制作環境と伝送環境について,それぞれ9項目の合計18項目を挙げ,さらに,それらを細かい要素に細分化した.内容自身に関する評価は,ライセンスの内容のみを対象として扱うこととし,コンテンツが制作あるいは改変された環境で用いたツールや機器,DRM技術の種類,制作等に携わった組織・人物,それぞれの信用度・信頼度を,評価指標として用いることとした.これらの評価指標を用いたシステムの評価では,全項目を既知として評価できるわけではなく,また,評価者の立場や目的により重視する評価指標が異なる.そこで、まずはコンテンツの改変有無を考慮しないモデルを対象として,各評価者が重視する項目と流通データから取得可能なデータから,コンテンツ流通過程の信用レベルを分析し,評価者の要求に応じた評価値を導出するモデルを検討した.尚,年度初めに計画していた信頼確立プロトコルの検討については,十分な検討が進んでいない.次年度に継続して取り組み.検計したモデルの有効性を検証する.
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