研究課題
藍色細菌からヒトに至るほぼ全ての生物の生命活動は、24時間周期のリズム(概日リズム)を示し、リズム発振の分子機構を生物時計と呼ぶ。生物時計は光周性を支配しており、高等植物においては花成時期を制御している。光周性を人為的に制御することが出来れば、農業生産性向上などの社会的利益に直接繋がる。モデル高等植物シロイヌナズナにおいてリズム変異体を大規模スクリーニングし、分離した無周期変異体の原因遺伝子として時計遺伝子PHYTOCLOCK1(PCL1)をクローニングした。そして、PCL1ホモログ遺伝子をイネやトマトを含む多くの高等植物で発見した。本研究では、(1)TILLING法によってpcl1変異体を網羅的に分離し、(2)pcl1変異様式とリズム表現型および光周性との相関の規則性を見い出し、光周性の人為的操作法を確立することを目的としている。平成20年度は、イネにおいてTILLING法によってpcll変異体のスクリーニングを実施し、候補株を複数得た。また、イネにおいてPCL1遺伝子発現を生物発光としてリアルタイム測定するためのレポーター株の作製を行った。さらに、イネにおいてPCL1遺伝子のRNAi発現株の作製を進めた。現在、これらの株の次世代を作成中であり、作製でき次第、遺伝子型の確認と表現型の調査に取り掛かる。上記研究と同時並行で藍色細菌における時計関連タンパク質Pexの機能-構造相関を明らかにした。また、チラコイド膜存在するNa+/H+アンチポーター遺伝子の機能解析を行った。
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Genes to Cells 14
ページ: 1-16
Journal of Biological Chemistry (印刷中)
中部TLOニュース No. 9
ページ: 5-5
Genes and Development 22
ページ: 918-930